New Hope Church Visit | 北本福音キリスト教会      
長老:石黒 早苗 兄平井 紹子 姉新井 あき子 姉伊東 雅和 兄松沢 順子 姉F・H 兄海島 晴由 兄遠藤 浩範 兄河村 幹夫 兄山田 恵 姉

New Hope Church Visit|山田 恵 姉

[Prologue]
 2007年8月3日(金)~8月6日(火)のハワイ。生涯忘れられない思い出となったこの旅のプランをきめたのは、出発2日前の夜だった。フライトの9時間前にその晩とまるホテルを予約して、直前まで仕事をし、駅前の小さな書店で2分で選んでかった旅行ガイドブックをかばんにつめ、一日前にとった航空券で飛びたった、振りかえれば嵐のような出国。会社の友人は、「前日にチケットとってハワイに旅行に行く人は初めて会った」と驚いていたが、私もそんな人には会ったことがない。
 急な決定の経緯はそれなりにあったのだが、New Hope Christian Fellowship O’Ahuという教会を奨めてくださった、母教会の先生の電話がきっかけであった。開拓から4年間で毎週6,000人以上が集まる礼拝に成長し、現在は10,000人規模にまで達しているといわれている。いったいどのようなところなのだろう。祈りを重ねるうちに、とてもそこに行きたい、行かなくてはいけないような気持ちになってしまった。
 急な計画で無理もあったが、実行に移してみると、そこには、思いもよらなかった祝福が待ち受けていた。 この3日間のできごとをずっと忘れずにいるためにも、今回は記録しなければならないと思った。自分がおこなったことではなく、神様が導き、おこなわれたことであったからだ。

Day 1: August 3, 2007
[ホノルル国際空港到着後は ハプニングつづきだった]
 ノースウエスト航空84便で成田空港を出発したのは、ほぼ定刻の21:25だった。
 日付変更線を越え、同日8月3日(金)9:50amにホノルル国際空港へ到着。到着ゲートに着いて、ハワイの爽やかな風に心を躍らせていたのもつかの間、いくつものハプニングが連発した。
 まず、成田でレンタルしてきた携帯が動かない。公衆電話からホテルに電話した時、Eゲートに迎えに来てくださることになったリムジンバスが30分近くまってもこない。重い荷物をひきずりながら、再び公衆電話に戻り、ホテルに確認の電話をしている間、(先ほど自分が待っていた場所近くの目印をきかれ、受話器から離れた一瞬の隙に) 隣にいた3~4歳の子供が、受話器をもって、きってしまった。もう手元にコインがない。1ドル札を両替できる場所を聞くが、この辺なら一番近いといわれたスターバックスは違うフロアにあった。こんな時のために携帯をレンタルしてきたのに。その後、親切な婦人のご好意で崩していただき再び電話をかけると、あっけなく「見かけませんでした」と言われ(お互いの顔もわからずネームカードもないので行き違いになったようだ)、タクシーで自分でいくことになった。この時点で、すぐにタクシーをつかまえられればまだよかったのだが、ハワイ(すくなくとも空港周辺)には流しのタクシー制度がないことを知らなかった私は、ぐったりしながら、周りにいた(おそらく同じ心境であろう)2~3人の旅行客と、繰り返し、結局は素通りしていくタクシーに何度も手をふるという、無駄な行動をとっていた。なんとか、ようやくつかまえたタクシーにのり、行き先を言うと、「Oh no! I had the wrong person. (乗せる客を間違った)」といわれ、ぶっきらぼうに降ろされることに。その後、一緒にタクシーを待っていたカリフォルニア出身の女性と話し、どうも、電話で予約しなくては乗せてもらえないらしいことが分かったが、タクシー呼び出し用の電話が壊れていた。携帯が使えない私をみて、彼女は自分の携帯でタクシーを呼んで、ご本人はお子さんもつれていらっしゃるのに、最初に到着したタクシーを私に譲ってくださった。疲れていただけに、ありがたさが身にしみる。どれも些細なことなのだが、やる気をつまずかせるには十分なボリュームだった。しかし、環境のせいにはできない。ハワイだから何かと便利であろうと思い、旅を甘くみた自分が一番よくなかったのだ。
 それにしても、前回はグレードの高いホテル付きのパッケージツアーを利用したため、到着ゲートにはホテルの方が待機して、香り高いレイを首にかけてくださり、大きな専用シャトルバスでホテルに向かったのに。今回は間違って違う国にきたみたいだ。身が引き締まる思いでホテル行きのタクシーに乗った。

[ホテルの悲劇]
 50分近く奮闘していた割に、着いてみると、ホテルは空港からタクシーで7分ほどのところにあった。「本当にここですか?」と思わず運転手さんに尋ねたほど、ホームページのイメージと全く違っていた。運転手さんによると、この辺りは治安が悪く、夜はホテルの外にでない方がよいようだ。外観以上に室内のギャップは大きく、ここが1泊15,000円近いなんて受け入れがたかった。ヨーロッパで利用した1泊1,800円のB&Bの方が質が高く、ロビーにいる宿泊客層もよいとはいえない。観光スポットの中心地(ワイキキやアラモアナ)に行くにも、タクシーで片道5,000円近くかかるという。機内で計画した初日のプランを実行する気になれず、最初の数十分はベッドに座ったまま動く気にもなれなかった。

[一本の電話が救ってくれた]
 しばらくふさぎこんでいたが、こんなふうに暗くなっていても仕方ない。旅行代のもとだってとれなくなってしまう。お祈りしよう、と思った。祈っていると、次第に「New Hopeの礼拝さえ参加できれば来てよかったと感じられる旅になるはず。」と前向きに考えられるようになった。教会名のとおり、自分が思っていた以上に、教会こそがHOPE(希望)となり、日曜日のためにその行き方だけは確実にしておかなければならないと思った。すぐに教会事務所に電話し、日本から旅行にきて、今週日曜日の礼拝に参加したいと思っている旨を伝え、自分のホテルから礼拝場所への行き方を教えていただこうとした。しかし、説明されている場所が明確に分からず、何度か聞きなおすと、日本語を話せる方(ハワイ在住の日本人女性)につないでくださった。それが、今回お世話になった、たかこさんとの出会いだった。少しお話しすると、「ホテルからここはとても近いはずだから、特に予定が入っていなければ、よかったらタクシーでいらっしゃいませんか。」と言ってくださったので、すぐに支度して、タクシーで5分程のところにある、教会の事務所に向かった。
 白くて大きな建物の入り口付近にいらっしゃったたかこさんは、笑顔が本当に素敵な、柔らかく爽やかな(まるでハワイの風のような・・・)雰囲気の方で、ハグして歓迎してくださった。最初は少し離れたお姉さん位にみえたが、大学生のお子さんがいらっしゃるらしい。クリスチャンの女性は、海外でも年齢不肖な方が多いようだ。たかこさんは、今まで教会の事務所で奉仕をされていて、これから帰宅されるところだった。ホテルのことをついこぼすと、「主人がホテル関係に詳しいから少し聞いてみます。」と言ってくださり、更に、「今夜、自宅でバーベキューパーティーがあるのですが、よかったら一緒にいかがですか。」と誘ってくださった。こうして、そのパーティーに急遽参加させていただくことになった。
 神様の恵みは、いつも自分が思いもよらなかった方からやってくる。

[夢のようなお家にうかがう]
 たかこさんの車でお宅に向かう途中、2人のご婦人も同乗し、それぞれのご自宅まで送って行かれたのだが、そのうちの一人、しげこさんという白髪の品のある女性は、なんと小田牧師先生のお知り合いだった。私自身は小田先生にお会いしたことはないのだが、先生が以前主任牧師をされていた教会の教会員であることを伝えると、大変驚かれていた。
大通り
樹木
入り口
おうちの中
 たかこさん宅に到着したのは15時頃。驚くほどに素敵なおうちだった。最初に驚いたのは、ご自宅玄関に到着する前に舗装された道路があり、「関係者以外は立入禁止」を意味する自動ゲートで外界と仕切られていることだ。TVでみたことのあるような、超高級住宅エリアに住まわれていた。そもそも、BMWのバンを運転されていた時点で違うと思ったが、お家にはプジョーもあり、7~8人乗りの船(クルーザー?)もある。自分とは違う世界であったが、たかこさんの気さくさと優しい笑顔が、いつも緊張をほぐしてくれた。お部屋のセンスも素晴らしく、「インテリアのお仕事をされているのですか?」と伺ったほどだ。ガーデンの前をながれている川(すぐ近くの海につながっている)でつりを楽しむこともできるようだ。
 冷たい飲み物をいただき、暫くの間、今回ハワイを訪れた目的、クリスチャンになったお互いのきっかけなどをお話していると、ご主人のスティーブさんが、買い物袋をいくつももって帰ってこられた。スティーブさんは、溌剌として上品な日系の方で、英語も日本語もネイティブで、グアムとハワイ、アメリカ本土でビジネスをされている会社の社長さんだった。笑顔で歓迎してくださり、スティーブさんのお姉様の娘さんが先週ご結婚されたので、これから親戚一同(15人程)が集まってホームパーティーをされる旨を、お料理しながらお話してくださった。ビュッフェ形式で10品近くあるお料理全てを、先程まで仕事をされていたにもかかわらず、早く到着されたもう一人の男性の方と一緒にジョークをかわしながら、てきぱきと作られていた。普段はたかこさんしか料理はされないとのことだが、その手際のよいなれた手つきはただものではなかった。中には非常に手の込んだもの(グアムの代表的な家庭料理)もあって、これを皆さんと一緒に味見させていただくと、おどろくほどおいしかった。ご本人も満足のようで、「(かくし味の)ココナッツミルクがよかったね。」と、おしゃれなひとりごとを言われていた。

[アラモアナショッピングセンターでのできごと]
 たかこさんは途中、ご自分がハリ治療にいかれる間、私が時間をもてあますことのないように、車にのせてアラモアナショッピングセンターにつれていってくださった。16:25に到着。降ろしていただいたところで、1時間後に待合わせることにしてお別れした。ところが、時間から20分程過ぎても、たかこさんの車はみつからなかった。気持ちが焦り始めた。お店をみてまわっている間に、待合せ場所の記憶が曖昧になってしまったのかもしれない。たかこさんの連絡先も分からなかった。空港でリムジンとあえなかった数時間前の苦い記憶がよみがえり、私のせいで会えなくなりたかこさんが探し回り、パーティーがだいなしになったら、などと悪いシミュレーションが始まり、あせったまま祈りを繰り返していた。
 その時ふと、かすかな声で、「なぜ信じないのか」 と、イエス様に語りかけられたような気がした。こんなに神様に助けていただきながら、いざとなると頼りきれていない自分に気がついた。そして、お詫びして祈ると、神様が一緒にいてくださるという安心感がうまれ、不思議なほど焦らなくなった。たかこさんが現れたのは、そんなことがあってから1~2分ほどのことだ。ひどい渋滞に巻き込まれて遅れてしまい申し訳なさそうにされていたのを見て、かえって申し訳がなかった。再会できれば何も問題ないし、この時間を通して、どんな状況でも神様を信頼することの大切さにきづかせていただけたことは、かえってよかったと思う。

[忘れられない バーベキューパーティー]
 たかこさん宅に到着したのは19時頃だった(と思う)。すでに、7~8名近くの方が来られていて、お庭のテーブルに前菜のシュリンプカクテルとワイン(エチケットもワイン(ホワイトメルロー)も自家製で、8月3日が解禁の記念すべき第1号ワイン)が並べられており、にぎわっていた。中には、イギリスやシアトル、グアムなど、西から東からこられた方もいらっしゃって、これだけ親戚一同が集まられるのは本当に久しぶりとのことだった。主賓のお二人とご両親がみえてから、乾杯し、おいしいお料理(本当においしかった!)を、しばらく堪能した。

 デザートに入る前のゆったりとした時間に、スティーブさんのお父様が、真面目な話がある、と立ち上がり、感謝にみちた飾りのないメッセージを話しはじめられた。ところどころ英語が聞き取れなかったが、戦時中の大変な時代も含めた、ご自身の半生のお話。家族にとって再出発となった1973年の出来事。支えてくれた家族、子供、孫達への感謝の想い。今自分がいかに幸せであるかを、ジョークもまじえながら熱く語られた。「自分は、American Dreamを実現したと思っている。ここにいるみんなが、My American Dreamだよ。」と言われた時の表情が印象的だった。

 それに続いて、時には指名で、時には自発的に、お一人お一人がご自分の思いを立ち上がって語られた。それはどれも、家族への感謝の気持ちに満ちており、本当にあたたかいメッセージであった。特に、一つ一つの言葉を大切に選びながら、ゆっくりとお話されたたかこさんのメッセージには、そのお人柄が偲ばれた。
 「私にこの素敵な家族を与えてくださり、ここまで導いて下さった神様に、そしてみなさんに感謝します。私たちは、今までいろいろなことがあったし、喧嘩をしたこともありました。特にスティーブとは、以前はよく喧嘩をしました。けれど、私たちの間に神様が入ってくださってからはそれもなくなってゆき、かわりに、生活に愛と祝福がたくさん与えられました。こころから感謝しています。そして、私はみなさんにもお礼がいいたいです。人生に愛と深みを与えてくださったこと、いろいろな苦楽をともに経験して、私の人生のおもいでを共有して生きてくださったことに。どうもありがとう。」
 スティーブさんのメッセージも、とてもインパクトがあった。「This family loves God. God knows this. So, He blesses us.」という、シンプルだが確信にみちた言葉。そして、「このファミリーは、みんなPassion(情熱)をもって生きている。時々、あまりに持ちすぎていてよく頭が痛くなったが(笑)、それはともかく、Passionをもって生きることは、大切なことだ。それがなければ、意味がなく、空しいと私は思う。」という言葉。これは、本気で人生を生きていないと言えない言葉だ。今の私は、しっかりとPassionをもっていきているだろうか、ふと思ったが、この問いがおこること自体違うのだろう。「もっと、本気で、思いっきりやってみなさい。」と、神様から叱咤激励されたおもいがした。
 最後には、ゲストの恵さんにも一言お願いしたいと言って下さったので、まとまらない言葉ではあったが、「こんな素敵なお交わりに招待くださった神様、皆様に心から感謝しています。ご家族が、信仰と愛と情熱をもって生きておられる姿に、大きな励ましをいただきました。小さな祈りですが、帰国してからもお祈りさせていただきたいと思います。」という内容をお話させていただいた。 それから、全員が立ち上がり、手をつないで輪になり、スティーブさんが代表してされた感謝の祈りの元、心をあわせてお祈りした。

 お祈りの後は再び楽しい雰囲気になり、デザートビュッフェが用意され、デザート&カラオケタイムに入った。メインの時もそうであったが、恵さんはゲストだからといって先にとらせてくださる。この日初めてお会いしたのに、たくさんの方々が話しかけてくださり、一緒にデュエットしましょうと言って下さる方もいて、一言一言が嬉しかった。デザートは、フルーツやケーキの他にも、男性陣がお庭でつくって下さるビスケット菓子(マシュマロを火であぶってとかし、Herseysチョコと一緒にビスケットでサンドしたもの)もあって、それは見ていても楽しかった。スイーツをいただきながらカラオケしたり、カイル君(たかこさんの息子さん)のピアノ演奏を楽しみながらすごした時間はあっという間だった。そして最後、修学旅行生のような盛りあがりようで集合写真が撮影され、パーティーは幕を閉じた。私にとっては夢物語のような数時間。
 夜の静かな川に点在して映る、オレンジ色の明かりときれいな星をみながら、この数時間のできごとを一生忘れることはないだろうと思った。

[ホテルが与えられた!!]
 全員の方が帰られた後、たかこさんがスティーブさんに、私がホテルを探していること、スティーブさんのお名前で、ワイキキやアラモアナあたりのホテルを安く予約できないか、など相談してくださった。スティーブさんはすぐにホテルリストを取り出して数か所に電話してくださり、明日から2泊で、プレジデント料金で宿泊できるところを探してくださった。このようにして、アラモアナショッピングセンターのすぐ裏にある、鯉のいる日本庭園で有名なホテルに、かなり低価格で宿泊させていただけることになった。自分で予約したら、この時期は倍料金になっていたであろうところだ。お礼をいいながら、目の前で起きていることに鳥肌がたつ思いだった。予約がとれると、たかこさんとカイル君が、地図で今のホテル場所を確認し、遠距離にもかかわらず車で送り届けてくださった。たかこさんは別れ際に、「日曜日の礼拝前、8:30amにホテルの入り口に迎えに来ますね。」といってくださった。どうお礼してよいか分からず、「ありがとうございます。」としか言えない自分がもどかしかった。

 ホテルのフロントにいき、明日の12:00にCheck-outする旨(延泊の可能性がなくなったこと)を伝え、部屋に戻った。数時間前に暗く沈んでいたあの部屋。電話機の横に、使えないレンタル携帯の使用マニュアルがひろがっている。そういえば、この携帯からはじまったいくつものハプニング。ホテルを目にした時の心細さ。けれど、この条件があったからこそ、たかこさんが帰られる前の絶妙なタイミングで教会に電話し、お会いすることができたのだ。(私は、到着直後に日曜日の礼拝場所を確認するような性格ではないので、全て順風満帆だったら、初日のプランを実行すべく遊びにでかけていたことだろう。) しかも、このホテルが、たかこさんがいらっしゃった場所の目と鼻の先でなかったら(最初探していたワイキキビーチ側にあったなら)、その日にお会いすることを断念していた可能性が高かった。
 神様のなさることは、いつも時にかなって美しい。

Day 2: August 4, 2007
[時間を浪費する豊かさ?!]
 8月4日は11:00頃に起床した。時差ぼけのためか、それでもまだ寝たりない。急いでシャワーをあび、12:00過ぎにCheck-outして、スティーブさんが紹介してくださったホテルに向かった。タクシーで30分もしないうちに、アラモアナのモダンなエリアに入り、12:40頃無事Check-in。プレジデント料金という低価格で案内されたのは、3Fの広々としたツインルームだった。白を基調にした、シンプルで素敵なお部屋で、幼い頃に読んだ本、”あしながおじさん”の主人公(孤児の女の子が周囲の人の恵みと愛情を受けて豊かに成長していくストーリー)が感じたであろう感動を、実際に体験しているようであった。
 この日は、14:30過ぎからアラモアナショッピングセンターで半日過ごした。ショッピングセンターに長時間いるとたいてい疲れてしまう私だが、ここは楽しくてあきることがない!地下もあわせると5フロアある巨大モールなのだが、お店の充実ぶりもさることながら、センター中央部分は吹き抜けで屋根もなく、陽の光がさしてくる開放的な雰囲気になっている。ところどころにある椰子の木も、海風に吹かれて涼しそうにしている。最上階のレストランフロアは、オープンテラスの場所が多く、ただベンチにすわってヨットハーバーを眺めているだけでもシアワセな気持ちになれる。
 でかける前は、ダイヤモンドヘッドに行こう、神様が創られた大自然をみよう!と自分を奮いたたせていたのだが、(好きなことをしてゆったりと過ごすことも大切だよ) と神様から言われているような気がしてプランを変更した。私は、遊びも真剣にやらないと楽しくないとか肩肘はってしまうところがあるのだが、こんな時間から吸収できるものが実は大きいのかもしれない。漫画の島耕作が語っていた、「人間の豊かさは、時間をいかに浪費するかにあるのだから」というセリフもなんとなく分かるような気がした。

 夕食を終えてホテルに戻ってきたのは、22:00過ぎだった。その後シャワーを浴びて、日曜学校の上級科の子供達、先生方、家族に15枚のはがきを書き、ふと時計を見るとなんと2:00amをまわっている。明日の大事な礼拝があるのにこんな時間と、お祈りをして慌ててベッドに入る。明日はどんな一日になるのだろう。

Day 3: August 5, 2007
[New Hope Christian Fellowship O’Ahuは”喜び”の教会だった!]
 6:30amに起床した。身支度をして、ホテル自慢のFloating Restaurant(鯉の池の中に浮かぶようにして佇む水上レストラン)でビュッフェをとった。自慢しているだけあって、バラエティーが本当に豊か。特にトロピカルフルーツにははまった。8:30になると、いつもの笑顔でたかこさんが、ホテルのフロントまで来てくださった。スティーブさんは、いつも私が車に乗る時には運転席から降りてドアを開け、閉めてくださる。ホノルルの一等地のビルにオフィスを構える社長の方なのに、なんてありがたいのだろう、と思う。
 8:45頃、New Hopeの礼拝が行われるFarrington High School に到着。毎週末、この高校内の公会堂を借りて、土曜日に2回、日曜日に3回、+サテライト(衛星放送)礼拝がもたれているのだそうだ。私が参加したのは、日曜日9:00am-の日本語通訳付のセッションで、事前に日本人用のブースに行くと日本語の資料(教会案内やメッセージポイントがかかれたメモ)をいただき、携帯用通訳機器をお借りすることができた。公会堂内にはどのくらい人がいたのかは分からない。とにかく満員で、聖化大会のような熱気だった。ステージの両サイドには、後部座席の方まで見られるように、そして高校の生徒達も活用できるようにと教会から寄付された大型スクリーンがとりつけられてあった。公会堂に隣接した芝生のスペースには、大きなテントがいくつもセットされ、その中に、ブックストア、バイブルクラス、サークルなどのグループがあり、それぞれに教会の方が群がっていた。そのエリアの横には、野外でメッセージを聞く方用の巨大スクリーンがセットされ、パイプイスが並べられてあった。これだけの設備が、毎週末の礼拝毎に設置・撤去されているかと思うと、それだけでも教会のチームワークと奉仕力のすばらしさを伺い知ることができる。
 礼拝はほぼ定刻に始まった。まず、牧師先生のメッセージに入る前にユースグループによる証や賛美(バンド演奏)があったのだが、賛美リードは芸能プロに所属しているクリスチャンなのかと思ったほど才能や魅力にみちていて、何よりも心から神様が大好きな様子が賛美から伝わってきた。特に、自作の曲はすばらしかった。その曲を作った若い女性が、どん底の生活の中で神様に出会い、全くかえられたという感動の証をされたのだが、話の合間に映画のワンシーンのような映像がスクリーンに映し出され、この手の込んだ編集が毎回行われているとは、いったいどういう教会なのだろうと驚いた。何よりも、一人ひとりの信徒の喜びと輝きに満ちた表情が忘れられない。

 「いつも喜んでいなさい。たえず祈りなさい。すべての事について感謝しなさい。これこそ、キリストイエスにあって、神があなたがたに望んでおられることです。」 (第Ⅰテサロニケ 5章16-18節)

 神様が大好きな世界は、きっとこんなふうにみんなが心から賛美して、心の底から喜んでいる空間なのだろう。 タルムードというユダヤ教の書物には、「神様は、私たちの楽しみのためにこの地上に備えてくださったすべてのことに対して、もし私たちが時間を費やさなければ、そのことに対しての責任をとらせる。」とあるようだ。(ウェイン先生の本より) 喜ぶことの大切さを改めて考えてみた。どんな環境下にあっても工夫して、喜びを積極的に生活にとりいれる、実践する位の心意気で生きる姿勢が、もっとあってもいいのかもしれない。

 賛美と証が終わると、ウェイン・コデイロ牧師先生がステージに現れた。全米の5本の指に入るパスター(牧師)と伺ったが、レイを首にかけられてアロハシャツででてこられた先生は、本当に気さくで爽やかな、やさしい印象の方だった。その日のメッセージタイトルは『愛を拡げる』。ご自分の体験した話もおりまぜながら、ストレートに分かりやすく、ユーモアに富みながら語られるのだが、その中にはいくつもとらえられる言葉があった。

 友達は自分で選ぶものですが、隣人は神様が選ぶものです。隣人の中には、癖のある人、自分と合わない人、怒りを覚える人もいるかもしれません。お分かりのように全ての隣人を愛することは、たやすいことではありません。 しかし、神様は、自分と同じように隣人を愛しなさいと言われています。どうしたらよいのでしょうか。 それには、愛を引きのばし(Stretching)、精一杯努力して働かせる(Straining)ことが必要です。相手を受け入れ、同じ側に立ってください。そこには多くの犠牲がともない、自分の限界とのたたかいが強いられることもあるでしょう。でも、神様の愛はそういう愛だったから、私たちはいまここにいます。

 愛を向上させるには、知識(Knowledge)と識別力(Discerning)を身につけることが必要です。中学生の時のような、いつもドキドキする恋愛もよいでしょう。但し、いつまでもそればかり望み、何が正しく間違っているかを識別する力がないと、サタンによって偽造された愛に陥ってしまいます。知識、識別力、愛を引きのばす力を身につけるには、毎日毎日のディボーションと、地道な訓練が必要です。地味なことでも従順に根気よく続けていける力は、どんなことにも役立ち、自分の助けになってくれます。つまらない、くだらないと思えるような時でも、祈りをもって忍耐強くたたかいぬいてください。引きのばす愛を精一杯働かせるときに、自分の周りの環境、職場、そして世界が変わります。

 今の自分に一番必要なメッセージであったと思う。先生はしばらくの間オレゴンにいらっしゃり、ハワイに戻られたのはつい2週間前であったらしく、このタイミングで私がハワイにこられたのも大きな祝福だった。(たかこさんは、先生に私を紹介までしてくださった。)必ずいつかまたメッセージを聞きに、この礼拝に参加させていただきたいと思っている。

[しあわせな知らせ]
 礼拝後は、ローカルハワイアンがよく来られるお店で、スティーブさん、たかこさんにランチをご馳走していただいた。私は、チリのロコモコとピーナッツバターロールをいただいたのだが、ピーナッツバターロールは、日本で食べたことのないようなものだった。本場のピーナッツバターを使っているだけあり、しっとりとこくがあり、やみつきになる味だ。
 食事の際に、驚くような知らせをうかがった。早ければ来年、お二人が生活や仕事の拠点を日本に移すかもしれない、少なくとも、今は実現に向けて、少しずつその準備を進めている、とのことであった。表向きの目的は、スティーブさんのビジネスのためだが、何よりも、神様からそれぞれに与えられたビジョンを行うために移住しようと思われたのだそうだ。
 「確かに住みなれたハワイでの暮らしの方が、Comfortable (快適)かもしれない。でも、神様が日本に行きなさいというのなら、私たちは行きます。どうか、私たちのために祈ってください。」と、穏やかに微笑んで、確信にみちた目で言われた。
 「神様は、私たち一人ひとりの働きをたくさん必要としています。私たちは、それに答えていかなくてはいけない。本当はもっと、『はい!神様、働かせてください!』って手をあげていかないといけないんですよ。」あたたかい笑顔でさらっと言われたのだが、とても心に残る言葉だった。
 結局、今回の旅行のどんな体験よりも、このお話を伺えたことが私にとって一番嬉しいことであったかもしれない。

 ランチを終えた後は、ワイキキビーチの方まで車で送ってくださった。お二人がゆってくださったように、また再びお会い出来るときがくる、そう思うと不思議と寂しくならなかった。リクエストして降ろしていただいたホテルの前で、感謝して手を振ってお別れした。あの時、この後グアムの知事と会食があると言われていたお二人。私が考えているより、本当に地位の高い方なのだろう。それでも見ず知らずの私に親切にしてくださったことをずっと忘れずにいたい。そして、自分がそうしてもらったように、心のこもった親切をごく自然に(ここが大切)、他の人に届けられるような人になりたいと願う。

[モアナ・サーフライダーでのひととき]
 さて、降ろしていただいた、モアナ・サーフライダー。ワイキキ最古の歴史を誇りながらも、老朽感を全く感じさせず、”ワイキキのファーストレディー”と称されているホテルだ。約10年前に泊まったのだが、その建物の美しさに憧れて、いつかはまた訪れたいと思っていたところだった。そのころオーナーだったシェラトンからウェスティンにかわっていたが、久しぶりにみた外観は変わらず、圧倒的な存在感と、繊細美を兼ね備えていた。ロビーを歩いているだけでもホテルに申し訳ないような気がしてくる弱気な自分を制し、可能な限りエレガントに歩くように心がけてみたが、かなりぎこちなかったように思う。
テラス

 MAN MADE BEAUTYのマスターピースといえそうな美しさに興奮し、癒されながらロビーを進みぬけると・・・
 そこにひろがっていたのは、全能の神様が創られた、真っ青に澄み渡った青空と、エメラルドグリーンの海の巨大パノラマだった。今更ながら、壮大な自然を前に目頭があつくなった。ダイヤモンドヘッドの方からそよいでくる風の上を鳥が飛び、一定のリズムを保って波がおしよせては、ここちよい音をたてて消える。目の前の花びら、生い茂る草木は、一つ一つおどろくほど丁寧に、色鮮やかに、きめ細かく造られている。それはみな、ただオブジェのように置かれているのではなく、太古の昔から命をつないで今なお生きているものだ。光り輝く太陽も一定のリズムで沈み、夜には星がまたたく。この星も、神様が人間を楽しませる目的で造って下さったものだと聞いたことがある。 大好きな、ダビデの聖句を思い出した。

 天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。昼は昼へ、話を伝え、夜は夜へ、知識を示す。
 (詩篇 19篇1-2節)

 結局、ここにきて改めて感じたことは、「人間のつくったものがどんなに優れていても、神様が創られた自然や、神様が与えてくださる恵に満ちた時間の美しさにはかなわない」ということだった。天から与えられるものは、私たちの思いを超えて、深く、大きく、はかり知れない。
ビーチ
レモネード

 そんなことを考えながらレモネードを飲み、神様がくださった海をみてすごしたひと時は、この旅の終わりにふさわしく幸せな時間だった。

[おわりに]
 最後の夕食を終え、ホテルに帰ってきたのは20:00頃だっただろうか。それから0:48amまで、旅行記など書いたことのない私が書き続けていた。神様の恵みを忘れないよう記録しておきたいと思う気持ちがそうさせたのだが、この気持ちすらも自分からではなく神様が与えてくださったものだと思っている。

 旅行中におこった出来事を、人は偶然とか幸運というかもしれないけど、本当は、偶然などひとつもなかった。 ハワイが私に与えてくれたものは、神様が私を愛し、いつも共にいてくださる、という確信だった。 神様のこの愛は、世界中の一人一人にしっかりと注がれている。その真実を知る方が、一人でも多くおこされますように。

 わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。-主の御告げ。-それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。 
 (エレミヤ書 29章11節)

詩篇136篇1-9節, 26節

主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。その恵はとこしえまで。
神の神であられる方に感謝せよ。その恵はとこしえまで。
主の主であられる方に感謝せよ。その恵はとこしえまで。
ただひとり、大いなる不思議を行われる方に。その恵はとこしえまで。
英知をもって天を造られた方に。その恵はとこしえまで。
地を水の上に敷かれた方に。その恵はとこしえまで。
大いなる光を造られた方に。その恵はとこしえまで。
昼を治める太陽を造られた方に。その恵はとこしえまで。
夜を治める月と星を造られた方に。その恵はとこしえまで。
天の神に感謝せよ。その恵はとこしえまで。